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コロナ禍のソウルの印象 その1

2020-03-19||鳥原 学

3月5日から、三拍四日で韓国のソウルに行ってきた。12月に旅行の手配をしていて、知人の写真家甲斐啓二郎さんが現地で個展を開くというので、これを見に行くついでにいろいろ見ようと考えていた。今年に入って新型コロナの感染状況があれよあれよと広がるうちに、キャンセルするタイミングを失ってしまったのだ。ところが現地についたその午後に、安倍首相が韓国からの入国制限を発表。とても驚いたが、実施は帰国予定日の翌日、3月9日からとのことで予定通り動くことにした。

写真展オープニングは、やはりというか、来客はさほど多くはない。それでも甲斐さんが即興でアーティストトークを始めるなど、集まって来られた方と、とても心地よい時間を過ごさせてもらった。後の酒席も楽しかった。
とはいえ、いったい何でこんなことになったのかという戸惑い、憤懣、やるせなさを其々が抱えている。もちろん、いちばん大変なのは、主役の甲斐さんだ。ニコンサロンで予定していた展示がどうなるか、分からなくなってしまったのだから。

 

このコロナ禍が終わらないと、気持ちや思考の整理はつかないだろう。けれど、今回のソウルのことはずっと忘れないに違いない。それだけはすでに分かっている。